投資で得た利益には基本的に税金が課されます。不動産クラウドファンディングの配当金も課税の対象です。源泉徴収で課税関係が終了する場合もありますが、確定申告が必要な場合もあるため、注意が必要です。
そこで本記事では、不動産クラウドファンディングで生じる税金の種類を整理するとともに、確定申告が必要になる主要なケースについて解説していきます。
不動産クラウドファンディングの配当金にかかる税の種類
不動産クラウドファンディングの配当金に課される税は、所得税と住民税です。
それぞれ理解しておくと、確定申告についても理解しやすくなります。さっそく各税のあらましをみていきましょう。
所得税・復興特別所得税
所得税とは、個人の1年間の「所得」に対してかかる国の税金です。
なお、税の世界では収入と所得を異なるものとして扱います。
- 収入
給与やボーナスなどの合計額 - 所得
収入から必要経費(各種控除)を引いた額
所得税は所得が多くなるほど税率も高くなる「累進課税」が採用されており、高収入などで所得が多い人ほど支払う税金も多くなるしくみです。
この「所得」は給与所得、不動産所得、配当所得など10種類に分かれています。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
「みらファン」を含む多くの不動産クラウドファンディングの配当金は、10種類のうち「雑所得」に分類されます。雑所得とは1~9のどの所得にも該当しない所得です。公的年金や副業で得た収益などが該当します。
なお「任意組合型」の不動産クラウドファンディングでは、配当金は不動産所得となりますので注意しましょう。
さて、所得税を納める人には、復興特別所得税もあわせて課されます。
復興特別所得税は2011年に発生した東日本大震災の復興財源として創設され、所得税額の2.1%を納める必要があります。
会社員をはじめ収入が給与のみの人は、毎月の給与からの源泉徴収と年末調整で税金の手続きが完結しているため、確定申告の経験がないかもしれません。
しかし投資や副業などで給与以外に収益が発生すると、場合によっては確定申告が必要になります。具体的な手続きは次章以降でくわしく説明します。
住民税
住民税は都道府県や市区町村が住民に対して課す税金です。
税額に関しては以下のように国が一定の水準を定めていますが、正確には自治体ごとに若干の違いがみられます。
住民税額=所得の10%+5,000円
市町村民税 | 道府県民税 | 国税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
所得割 | 6% | 4% | – | 10% |
均等割 | 3,000円 | 1,000円 | – | 4,000円 |
森林環境税 | – | – | 1,000円 | 1,000円 |
※上図のほか、各自治体によっては税目の追加や減税措置が講じられている場合があります。
会社員の場合は、会社が給与から天引きする形で従業員の住民税を市町村に納めています。
また、所得税の確定申告をした人は申告の内容が自治体にも共有されるため、住民税の申告は基本的に不要です。
配当金は20.42%の税率で源泉徴収される
不動産クラウドファンディングの配当金で雑所得に分類されるものは、所得税20%と復興特別所得税0.42%の合計20.42%が源泉徴収されて投資家に支払われます。「みらファン」でも、源泉徴収をしてからみなさまに配当金をお支払いしています。
この源泉徴収によって所得税の納税が完結する人は、原則として確定申告は不要です。具体的には、以下の3つの条件 すべてに該当する人があげられます。
- 給与所得者である(会社員など)
- 年間の給与収入が2,000万円以下である
- その年の給与所得・退職所得以外の合計が20万円以下である
裏返すと、この条件に当てはまらない人は基本的には確定申告が必要です。
次の章でくわしく解説します。
確定申告を必要とするおもなケース
給与収入のみの会社員などは年末調整で1年間の税金の精算が済むため、確定申告をしたことがない人も多いでしょう。しかし投資などで給与以外の所得が発生すると、確定申告を要するケースも出てきます。
ここでは、不動産クラウドファンディングを利用した人で確定申告が必要になるケースを紹介します。
年間の雑所得が20万円を超える人
不動産クラウドファンディングの配当金などで雑所得が年間20万円を超える人は、給与所得者であっても確定申告が必要です。
繰り返しますが、雑所得 には不動産クラウドファンディングの配当金のほかにも、以下のような収益が含まれます。
- 副業で得た報酬
- フリマアプリやネットショップでの販売収益
- 暗号資産やFXで得た利益
- 民泊などシェアリングエコノミーの運営による収益
一つひとつの収益は20万円以下でも、雑所得の合計で20万円を超えていれば確定申告が必要です。副業に取り組んでいる人は注意しましょう。
そもそも確定申告の必要がある人
不動産クラウドファンディングで配当金を受け取ったかどうかに関わらず、確定申告が必要な人の代表例は以下のとおりです。
- 個人事業主
- 年間の給与収入が2,000万円を超える人
- 不動産投資をしていて家賃収入がある人
- ふるさと納税の寄付金控除や医療費控除、住宅ローン控除など各種控除を受けたい人
これらに該当する人は、雑所得が20万円以下であっても確定申告が必要です。
くわしい条件は国税庁のサイトで確認しましょう。
確定申告が必要な方|国税庁
住民税について
確定申告をすると、申告の内容は税務署からお住まいの市町村へ自動的に共有されます。したがって、住民税の申告を別途おこなう必要はありません。
申告内容をもとに各自治体が住民税を計算し、後日「納税通知書」が自宅に郵送されます。銀行やコンビニ、スマホ決済などで期限内に支払いましょう。
また、住民税も所得税と同様に、所得額によって金額が変わります。
大まかな目安として、課税所得金額の10% と捉えておくとよいでしょう。
確定申告が不要でも申告したほうが良いケース
確定申告をする必要がなくても、あえて確定申告をすることで税金の還付や節税につながるケースもあります。代表例としては以下のとおりです。
- 副業で赤字が出ている人
- ほかの投資(株式や投資信託など)で損失が出ている人
- 不動産の賃貸経営などで赤字が出ている人
- 株式などの配当金を受け取っており、配当控除を利用する人
損益通算を簡単に説明すると、所得の計算で生じた損失のうち一定のものを、同じ種類の所得やほかの所得から差し引くことです。総所得額を圧縮できるため、節税効果を得られます。
損益通算ができるかどうか、また確定申告をして節税につながるかどうかは、所得の額や種類によります。くわしく知りたい方は税理士など専門家に相談しましょう。
課税所得金額が330万円未満の人は、確定申告で税金が還付される可能性
不動産クラウドファンディングの配当金は、支払い時に20.42%(所得税20%、復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収されます。
ところが、所得税は累進課税であるため、実際にはすべての人に税率20%が適用されるわけではありません。課税所得金額が330万円未満の人の所得税率は5%〜10%ですので、源泉徴収によって税金を払いすぎているかもしれません。
こうした場合、確定申告をすれば払いすぎた税金が還付されることがあります。
とくに、収入がそこまで多くなく、適用税率が低い人ほど還付を受けられる可能性が高くなります。自身の課税所得額を把握しておくとよいでしょう。
なお、課税所得金額とは、年収そのものではなく、各種控除後の所得額です。
給与所得者なら、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の合計額」を引いた値が課税所得金額となります。
まとめ
多くの不動産クラウドファンディングでは、配当金は原則として20.42%の税率で源泉徴収された後、投資家のみなさまに支払われます。このため、すべての人が確定申告を要するわけではありませんが、雑所得が年間で合計20万円を超える場合などは申告が必要です。
不安な方は税務署や税理士に一度相談してみると安心です。
不動産クラウドファンディングは、これまで確定申告の経験がない会社員や主婦の方など、幅広い層が利用している投資の一種です。
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