不動産クラウドファンディングと他の投資商品

実物不動産投資と不動産クラウドファンディングの違い

不動産はインフレに強い資産として知られており、資産形成の選択肢として注目されています。投資方法には、マンションやアパートを購入して賃料収入を得る実物不動産投資と、少額から参加できる不動産クラウドファンディングなどがあります。
とくに不動産クラウドファンディングは近年、市場が急速に拡大しており、2024年の総出資額は1,763.4億円と前年から約1.75倍 になりました。
本記事では、この2つの投資手法の特徴や違いをわかりやすく比較していきます。

実物不動産投資とは

実物不動産への投資では、おもにマンションやアパート、戸建てなど居住用物件を購入し、オーナーとして運用していきます。
収益の柱は入居者からの家賃収入(インカムゲイン)です。さらに、取得価格よりも高く物件を売却できれば、売却益(キャピタルゲイン)も得られます。株式投資における「配当」と「売買益」に近いイメージで考えるとわかりやすいでしょう。

物件の取得にあたり、一般的には数千万円単位の資金が必要となりますが、その分大きな資産を築ける可能性がある点が特徴です。
一方、物件選びや入居者の管理、修繕など、オーナーとしての手間も発生します。
長い期間を通じて安定的に家賃収入(インカムゲイン)を得ながら、資産形成を行っていくのが実物不動産投資です。

不動産クラウドファンディングとは

不動産クラウドファンディングを簡単に表すと、不動産運営事業をクラウドファンディングのしくみを使っておこなう不動産投資や資金調達し、実現する事業投資です。
不動産クラウドファンディング事業者はインターネット上で多数の投資家から資金を調達し、物件を購入・運用します。
プロジェクト(ファンド)に出資した投資家は、出資のリターンとして、物件の運用益を原資とする配当金を受け取ります。購入型や寄付型といった、一般的なクラウドファンディングでは通常、出資金は返ってきませんが、不動産クラウドファンディングでは運用期間が終了すると出資金が償還されるだけでなく、利回りに応じた配当金を受け取れる点が特徴です。

また、申し込みから出資、配当の受け取り、償還と、すべてオンラインで完結するため、より手軽に不動産運営事業への投資に取り組めます。

実物不動産投資と不動産クラウドファンディングのおもな違い

実物不動産投資と不動産クラウドファンディングそれぞれの概要から、何となく両者の違いを掴めたかもしれません。
ここでは、6つの観点からより具体的に両者の違いを整理していきましょう。

1.運用期間

  • 実物不動産投資:長期
  • 不動産クラウドファンディング:短期

一般的に、実物不動産投資の運用期間は10年単位の長期戦となります。不動産投資ローンを利用して物件を購入する場合も多く、家賃収入を定期的に得ながらローンを返済し、出口戦略へと向かっていくパターンが少なくありません。

一方、不動産クラウドファンディングは比較的短期で完結します。多くのファンドは1年以内で運用が終了し、配当金と出資金が投資家に戻ってきます。当社が運営する「みらファン」も、運用期間は基本的に1年以内です。

2.投資額

  • 実物不動産投資:多額
  • 不動産クラウドファンディング:少額でも出資可能

実物不動産投資ではマンションやアパートを購入するため、数百万円、数千万円といった規模の資金を要します。ローンを組めれば手元資金の支払いを抑えられますが、誰もがローンの審査に通過できるわけではありません融資を受けることは利息の支払いが発生することと同義であり、運用益と利息の支払いのバランスを考慮する必要があります。
多額の資金を必要とする点でや借入を行う場合は長い期間という不安定要素があるため、投資ハードルが高いといえるでしょう。

その点、不動産クラウドファンディングは少額の出資も可能です。1口1万円から出資できるファンドも多く、当社が運営する「みらファン」も最低出資額を1万円に設定しています。

3.投資家保護のしくみ

  • 実物不動産投資:基本的に投資家保護のしくみはない
  • 不動産クラウドファンディング:投資家保護のしくみを採用するファンドもある

実物不動産投資においては、投資家自身が不動産オーナーとしてすべてのリスクを背負います。強いていうなら保険(火災保険や地震保険など)や家賃保証サービスにより一部リスクをカバーできますが、投資家保護の制度やしくみが用意されているわけではありません。

これに対して不動産クラウドファンディングでは、多くの事業者が投資家保護のしくみを採用しています。代表例はマスターリース契約と優先劣後方式です。

【優先劣後方式】

優先劣後方式では、投資家が優先出資者、不動産クラウドファンディング事業者が劣後出資者となり、損失が生じた場合には事業者が投資家に先んじて負担するしくみです。反対に配当金などの利益に関しては、優先出資者から先に分配されます。
優先劣後方式により、投資家の元本や配当が一定程度守られるようになっています。

ただし、いずれのしくみもすべてのファンドで採用されているわけではありません。
出資する際にはファンド情報をよく確認してくださいね。

4.手続きや運用の手間

  • 実物不動産投資:多い
  • 不動産クラウドファンディング:少ない

実物不動産投資で生じる手続きや手間の代表例は以下のとおりです。

  • 物件の購入・売却にかかる手続き
  • 入居者の募集・契約手続き
  • クレーム対応
  • 物件の修繕・メンテナンス

家賃の入金管理 など

入居者対応やメンテナンスなどは管理会社に委託もできますが、代わりに費用がかかります。さらに、売却の計画も自分で考える必要があります。

その反面、不動産クラウドファンディングでは、まずこうしたオーナー業が発生しません。また、先述のとおり出資や配当の受け取りなどの手続きはすべてインターネットで完結します。一度出資すれば、基本的には満期までほったらかしで運用できる点が大きな特徴です。
ただし、だいたい1年以内と短いスパンで満期がやってくるため、その都度次に投資するファンドを探す手間はかかります。

5.分散投資(物件の分散)

  • 実物不動産投資:分散しにくい
  • 不動産クラウドファンディング:分散しやすい

実物不動産は1件ごとの価格が高額です。したがって、複数物件への分散投資は容易でないといえるでしょう。

その点、少額でも出資できる不動産クラウドファンディングなら、複数のファンド(物件)への分散投資にも手軽に取り組めます。エリアや物件種別が異なるファンドに出資すれば、対象不動産固有のリスクや災害リスクを軽減できます。

6.確実性の高い賃料収入(みらファンの場合)

みらファンはインカム型の不動産クラウドファンディングですが、中には対象不動産を事業会社に貸し出して賃料収入を得るものもあります。
特にそのなかでも物件の一括借上による安定した賃料収入が見込めるものもあり、配当の確実性を高めているものも存在します。

事業会社による一括借上の例

実物不動産投資が向いている人

実物不動産と不動産クラウドファンディングの違いを踏まえて、実物不動産投資が向いている人は以下のとおりです。

  • 手間がかかってもよいので大きく資産を築きたい人
  • 節税を意識したい高所得者

実物不動産投資は多額な資金を必要とする分、長期的にみれば大きな資産を築ける可能性があります。オーナー業などに時間や労力がかかっても、自分の裁量で大きな資産をより大きく育てたい人に向いているといえるでしょう。

さらに、減価償却費は経費として計上できるため、所得の圧縮につながります。高所得者であれば節税メリットを得られる可能性がある点も魅力です。

不動産クラウドファンディングが向いている人

一方で、不動産クラウドファンディングのほうが向いている人は以下のとおりです。

  • 少ない自己資金で手軽に投資してみたい人
  • SDGsや社会貢献に興味がある人

不動産クラウドファンディングは少額から始められ、手続きもすべてオンラインで完結します。こうした特徴から、手軽に不動産投資を体験したい人に向いている手法といえます。

また、ファンドや不動産クラウドファンディング運営事業者のなかには、地域活性化やまちおこしなど社会的意義を目的とするものがあることをご存じでしょうか。投資を通じて社会的な取り組みを応援でき、社会貢献できる点も魅力のひとつです。
「みらファン」も地方の活性化をひとつの軸に据え、物件の選定やファンドの組成をおこなっています。

まとめ

「不動産投資」とひと口にいっても、実物不動産投資と不動産クラウドファンディングなどさまざまな手法が存在します。
それぞれ必要な資金や手間、投資家保護のしくみなど異なる点が多いため、自分の投資スタイルや目的に合った方法選びが大切です。
不動産投資の初心者や、小さく始めてみたい人とっては、不動産クラウドファンディングのほうが取り組みやすいといえるでしょう。

当社では不動産投資型クラウドファンディング「みらファン」を提供しています。
1口1万円から不動産投資に取り組んでいただけるほか、以下のような特徴も兼ね備えています。

  • 投資したい物件を選ぶことができる
  • 少額から手軽に投資が可能
  • 利回りが比較的高い
  • 不動産管理に関する手間が不要
  • リーシングに関する対応は事業者側が行う
  • 運用中の資金の上下が無い
  • 優先劣後構造で投資家を保護

「みらファン」で手軽に不動産投資を始めてみませんか。

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Rinka

みらいホールディングス企画部に所属し、不動産に関連する事業・サービスの広報活動を担当しています。 記事の執筆などを通じて、不動産関連の事業やサービスをわかりやすく発信していきます。もっと多くの人に知ってもらえるよう日々奮闘中です!

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