不動産クラウドファンディグとは、多額の資金を必要とする不動産投資を、クラウドファンディングのしくみを用いて少額から可能にした手法です。市場は急拡大中で、2024年の出資額は1,700億円を超えました。
一方、歴史の浅さなどから「怪しい」「危ない」といった声もあり、利用をためらう方も多いようです。
そこで本記事では、不動産クラウドファンディングの4つのメリットを、株式や投資信託などの金融商品や実物不動産投資と比較しながら整理しました。
あわせて注意点も紹介しますので、投資を検討する際の参考になれば幸いです。
小額から始められて分散投資に取り組みやすい
不動産クラウドファンディングでは、1口1万円から出資できるファンドがほとんどです。このため投資額を調整しやすく、分散投資への活用しやすさが最初のメリットとして挙げられます。
金融商品で資産を運用している方にとって、不動産は優良な分散先のひとつです。しかし実物不動産は1件あたりが非常に高額で、ポートフォリオに取り入れにくい点が難点です。不動産クラウドファンディングなら、たとえば「資産全体のうち不動産は20%まで」といった形で、少額でも不動産をポートフォリオに組み入れられます。またくわしくは後述しますが、物件の分散も小さな負担で実現できます。
出資額を少額にとどめておけば、万が一損失が出てもダメージは限定的です。不動産投資の入口としてハードルが低く、安心して取り組みやすい点も魅力といえるでしょう。
安定した収益を期待できる
不動産クラウドファンディングは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品といわれています。例として、「みらファン」の予定配当率は年利6%程度の水準です。ただし予定配当率は保証されたものではなく、運用状況や物件の売却条件によって下回る可能性もあります。また、預金のように元本が多くの場合において一定の金額が保証されているわけではない点にも注意が必要です。その一方で、預金や債券よりも利回りが高く、株式ほど乱高下しない安定感のある収益源として、ポートフォリオのバランスを整える資産となり得るでしょう。
債券で期待できる利回りは高くても5%程度(※)が目安です。ただし国内債券となると3%程度が目安のため、4%、5%を期待するなら外国債券が選択肢となります。外国債券の利息水準はたしかに高めですが、代わりに為替の影響を避けられません。したがって、日本円換算したときの利回りは不確実です。上振れることもあれば、下振れることもあるでしょう。
一方、不動産クラウドファンディングには為替リスクがありません。債券よりも高い水準で安定した配当金を期待できるといえます。
続いて、株式と不動産クラウドファンディングをくらべてみましょう。外国株も含めると、株式で期待できるリターンは4%~8%程度(※)です。株式は値動きが大きく、配当金よりも売却によるキャピタルゲインをおもな目的とするため、売却のタイミングに悩みがちです。タイミングによっては10%、20%の利益を出せるケースもありますが、その逆ももちろん起こり得ます。
対して、不動産クラウドファンディングは運用中の値動きがありません。期待できるリターンは株式より小さいものの、満期までほったらかしで安定した配当を得られる投資手法です。
攻めの資産である株式との組み合わせにより、資産全体の安定性を高められるでしょう。
このように、不動産クラウドファンディングは「守り」の債券と、「攻め」の株式の中間に位置し、どちらと組み合わせても資産バランスの向上に役立ちます。
※参考:
第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて~ 詳細 ~|年金積立金管理運用独立行政法人
バランスのとれた不動産ポートフォリオを成形しやすい
不動産投資のなかでも、物件の分散をしやすい点が不動産クラウドファンディングのメリットです。
実物不動産投資では、物件の分散は難しいものです。1件1件が高額なうえ、個人投資家が購入するとなると、種類もマンションやアパートなどに限られるためです。
その点、不動産クラウドファンディングなら少額から参加でき、多様な物件を対象としているため、異なる特徴を持つ物件への分散も容易です。
不動産クラウドファンディングで出資できる物件の例をみてみましょう。
- 居住系(戸建て、マンションなど)
需要が安定的で、景気変動の影響を受けにくい - 商業施設・オフィス系(商業ビル、オフィスビル、宿泊施設など)
立地や景気の影響を受けるものの、入居は長期になりやすい - 社会インフラ系(物流施設、ヘルスケア施設、データセンターなど)
社会的ニーズが高く、安定した需要が見込まれる
このように、個人ではなかなか手が届かない大型物件や社会インフラ系物件にも出資できる点は、不動産クラウドファンディングならではの強みです。
また、不動産クラウドファンディングでは都心に限らず地方都市の不動産にも出資できます。エリアの分散により、地域特有の景気動向や自然災害のリスクを和らげられます。
不動産クラウドファンディングなら物件の種類やエリアも分散しやすいため、バランスのとれた不動産ポートフォリオを構築しやすい点が特徴です。
運用に手間がかからず、心理的負担が小さい
不動産クラウドファンディングでは、ファンドへの出資を終えたら基本的には配当金と償還を待つのみで、運用にかかる手間が少ない点もメリットのひとつです。
株式や投資信託などのキャピタルゲインを狙う投資では、株価や基準価格をこまめに確認する必要があるでしょう。しかし不動産クラウドファンディングは運用中の値動きがありません。もちろん減配や元本割れの可能性がゼロではないものの、しくみ上、そうしたリスクは運用中ではなく運用終了時に生じるケースが一般的です。このため、日々の運用における心理的負担は小さく抑えられるでしょう。
また、実物不動産への投資には多くの手間がかかります。たとえば物件の選定、修繕、入居者募集、維持管理、売買の手続きなどです。
不動産クラウドファンディングでは、こうした煩雑な作業をすべて事業者が担います。さらに、アカウントの作成から配当金・償還金の受け取りまで、手続きはすべてインターネット上で完結します。
不動産の所有権は事業者が持つため不動産オーナーにはなれませんが、代わりにオーナー業務の負担がなく、資産運用そのものに集中できる点が大きなメリットです。
不動産クラウドファンディングの注意点
金融商品や実物不動産投資にはないメリットを持つ不動産クラウドファンディングですが、もちろんデメリットや注意点もあります。3つ紹介しますので、ぜひ覚えておきましょう。
まず、ファンドを探す手間がかかる点です。
不動産クラウドファンディング事業者の数は増加傾向にあるとはいえ、まだ歴史が浅い投資手法のため、事業者数は限られています。募集されるファンドの数も、株式や投資信託にくらべれば少ない状況です。
したがって、自分が投資したいタイミングで、希望条件に合うファンドが見つかるとは限りません。
さらに、各ファンドの募集額はあらかじめ決められており、先着順や抽選で出資者が決まります。魅力的なファンドを見つけても、必ずしも希望どおりに出資できるわけではなく、ファンドの探し直しとなる可能性があります。
次に、予定よりも償還が遅れるリスクです。
不動産クラウドファンディングは運用終了時に物件を売却し、投資家へ出資金を返還するしくみです。しかし、なかには売却が計画どおりに進まず、償還が遅れて資金の拘束期間が長引くケースもみられます。
最後に、一度ファンドに出資すると、基本的には満期まで解約できない点です。
償還まで資金が拘束されるため、急な入り用にも対応できる余裕を考慮して出資額を調整する必要があります。
まとめ
不動産クラウドファンディングは、少額から始められ、手間をかけずに不動産投資に取り組める点が魅力です。堅実に配当金を得られ、分散投資にも活用しやすい投資として注目を集めています。
一方で、ファンド選びの手間や償還遅延のリスク、途中解約ができない点も覚えておきましょう。
すでに株式や債券を運用している方は、資産の一部を不動産クラウドファンディングに振り分けることで、より安定感のあるポートフォリオを実現できます。その際は、事業者ごとの優先劣後割合や実績を確認し、自信の投資方針に合ったファンドを選びましょう。
「みらファン」は、地方の不動産を投資対象として、安心感とリターンの両立を目指す不動産クラウドファンディングです。
- 投資したい物件を選ぶことができる
- 少額から手軽に投資が可能
- 利回りが比較的高い
- 不動産管理に関する手間が不要
- リーシングに関する対応は事業者側が行う
- 運用中の資金の上下が無い
- 優先劣後構造で投資家を保護
1口1万円から参加できる「みらファン」で、不動産をポートフォリオに組み入れてみませんか。

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